私の選んだ世界一悲しい曲トップ10 第10位「セブン・イヤーズ」by ルーカス・グラハム

こんにちは。リトルハンド安倍です。

 

自分が選んだsaddest songs(悲しい曲)をランキングで紹介します。

実はまだ10曲集めていなくて、構想では5曲ぐらいはすでに選んであるのですが。

また順位は特に意味がなくて、まあなんというかランキング形式にした方が自分でも書きやすいかなと思ったぐらいの意味です。少しずつ追加していきたいと思います。

 

これをはじめたいと思ったきっかけは2つあって、

 

一つは、純粋に自分が歌詞の内容を知りたいということ。翻訳するといろいろと面白いことがわかります。内容理解が一番楽しいんですが、他にも韻を踏んでいるとか、リズムとか詩的な分析をすると面白いというか、作った人の苦労を感じることができて100倍楽しめるんですよ。たとえて言えば、建築を見る時に建物そのものだけでなく、設計図を見るとまた驚きがあるような感じです。

 だから人のためじゃなくて、まったく自己満足(自己陶酔)の世界です。(笑)

 

 2つめは、若い人(10代から20代)に特に聞いて欲しいと思っていること。邦楽やK-popが流行っていてそれはそれで楽しいですのですが(わたし、K-pop好きです)、洋楽を聞きっぱなしにせず、なぜ人の心を打つのか、なぜウキウキするのか、その理由を歌詞や韻を分解して、一緒に楽しんで欲しいなと思うからです。そして、洋楽をもっと愛して欲しいなと思うからです。

 

では第1回目をいきますよ。

 

まず、第10位は2015年発表の「セブン・イヤーズ」です。

ルーカス・グラハムというデンマーク出身のバンドの曲です。

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タイトル: 7 years セブン イヤーズ  「僕が7つの頃の話」

シンガー: Lukas Graham  ルーカス・グラハム (バンド名)

      2015年メジャーデビュー。デンマーク国のコペンハーゲン市出身のバンド

メンバー:ルーカス・フォルクハマー、マーク・ファルグレン、マグナス・ラーション

 

曲が生まれたきっかけ:

 ルーカスの父が61歳で亡くなった時に、父が生きたことを残すためにこの曲を書いた。また、自分が父になって、父親であることの素晴らしさを感じたからと述べている。父が亡くなっていなかったら、この曲は生まれなかっただろうと述べている。曲のテーマは「成長」または「老い」です。ルーカス自身はgrowing old(老いること)と言っていて、growing up(成長すること)とは言っていないので、やはり「老い」でしょうかね。

 

 ルーカスは、自分の夢は年老いたときに皮肉ばっかり言っている年寄りになることではなく、「ねえ、きみ、父さんに会いに行くの?」と子供の友達が聞いた時に、続けて「君の父さんによろしく言ってね。だって、君の父さん、最高だからね」と言わせるような父になりたいと述べている。また、そうした父を自分が持ったことを誇りに思っているとも述べている。(以上は、ウィキペディア英語版「7 years」から)

 

アルバムジャケット 7yearsを象徴する絵ですね。

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私が感じたのは:

 愛情がこもった曲ですね。父への愛情、母や妻への愛情、友への愛情、子供を慈しむ心、素晴らしいっす。きっと、性根が優しい人なんですね。ストレートというか。今時、「おやじを尊敬してます。」って言う人、います? 

 なんかね。世の中がそうなのか、テレビのバカタレントの影響なのか人を馬鹿にするようなすれっからしの性格が多くて、「育ててもらった母のことは愛してやみません」と言う人います??(爆笑)

 いるんだろうけど、表の世界には出てこないのかなあ。

 でも、このストレートな歌詞が世界中でうけたんだね。世界の人はやはり普遍的な価値観を今でも持っているんだね。

だって2016年世界で最も売れた歌の第8位になり、全米ビルボードはもちろん、英国、デンマークなど主要音楽国でNo.1になっています。やはり、世界もこうした家族を想う気持ちへの回帰が始まっているのかなと思います。

 歌い方も独特でSuperglue chorus(ねばっこい歌唱法)と批評家は言っています。歌詞では中学で習う「命令文+or」(〜しなさい。さもないと〜だよ)が繰り返されるんですが、このor(オア)の歌唱法が素晴らしいっすね。

 さらに、リズムがいいですね。リズムに乗り切れないほどの歌詞を詰め込んで、それをむりやりリズムに溶かしながら歌う歌唱法は素晴らしいです。

 私が初めて聴いたのは、世界デビューした時だっと思います。たまたまテレビを見ていたらDJの小林克也氏(あのレジェンド小林克也です)が、この曲をすごく推していました。小林氏は「ルーカスは父の死をきっかけにこの歌を書いた」と言っていました。

 その後、自分の人生も節目を迎え、4番目の子供が大学進学で上京して家を出て、メンタル的に深刻な「子供ロス」に陥って、併せて東日本大震災で被災した父がついに入院したりして。そんなこんなで心に響くようになってきて。いい曲だなと改めて感じました。

 自分は英国のJasmine Thompson(ジャスミン・トンプソン)という女性歌手のカバーが好きで聴いています。よって、いろんなバージョンがあるんですが、私のお勧めはジャスミン・トンプソンのカバーです。

 曲調が静かで、ピアノが響いて、歌声がのびやかで透き通っていて。最高です。

 

ジャスミン・トンプソン版 


7 Years - Lukas Graham (Cover by Jasmine Thompson)

 

では、歌詞です。

 歌詞は自分の拙訳です。ですから、他の人の和訳とは少し違いますし、ワーナーブラザーズで出している邦訳とも違います。自分の感性で訳しました。間違っていたら優しく教えてください。(傷つきやすいので、その辺よろしく。)

 

[Chorus1]

Once I was seven years old, my mama told me

僕がまだ7つの頃、母さんが僕に言ったんだ
Go make yourself some friends or you'll be lonely.

さあ外に出て自分で友達を作るんだよ さもないと孤独になるってね
Once I was seven years old.

それはまだ僕が7つの頃の話さ

 

[Verse 1]
It was a big big world, but we thought we were bigger.

世界は今よりずっと広かった でも僕たちはもっと大きく羽ばたけると思っていた
Pushing each other to the limits, we were learning quicker.

お互いとことんぶつかり合って、僕らは人生を少しずつ学んだいった
By eleven smoking herb and drinking burning liquor

11までには大麻を覚え、強い酒を飲むようになった
Never rich so we were out to make that steady figure
金がないので、まとまったお金を稼ぐために外の世界に出た

 

[Chorus2]

Once I was eleven years old, my daddy told me

むかし、僕が7つの頃 父さんは僕に言った 
Go get yourself a wife or you'll be lonely.

外の世界に出て自分で妻を見つけなさい さもないと孤独になるぞってね
Once I was eleven years old.
それは僕がまだ7つの頃の話さ

 

[Verse 2]

I always had that dream like my daddy before me

僕は父さんと同じように音楽で成功する夢を持っていたんだ
So I started writing songs, I started writing stories

だから僕は歌を書き始めた 物語も書き始めた
Something about the glory, just always seemed to bore me

少し成功したけど、いつも退屈だった
Cause only those I really love will ever really know me

だって僕が本当に愛していたものだけが僕のことをわかってくれると知っていたから

 

[Chorus2]
Once I was twenty years old, my story got told

二十歳のころかな 僕の書いたものが読まれるようになった
Before the morning sun, when life was lonely.

朝日の前では、人生は孤独なままだった
Once I was twenty years old.

それは僕が二十歳の頃の話さ

 

[Verse 3]
I only see my goals, I don't believe in failure.

僕は成功だけを夢見ていた 失敗なんて考えたことさえなかった
Cause I know the smallest voices, they can make it major.

田舎で生まれたちっぽけな歌でもやがて大きな花が咲くと知っていたから
I got my boys with me at least those in favor

僕は気の合う仲間も出来た
And if we don't meet before I leave, I hope I'll see you later.
たとえ出かける前に会わなくても、後で必ず会える信頼できる仲間が

 

[Chorus 4]
Once I was 20 years old, my story got told

二十歳になって、僕の書いたものが売れ始めた
I was writing about everything, I saw before me

僕はなんでも書いていた それこそ僕が実際に見たものは何でも
Once I was 20 years old.

むかし、僕が二十歳だったころの話しさ
Soon we'll be 30 years old, our songs have been sold

やがて僕たちは30歳になるだろう 僕らの歌は歌われ続けるだろうか
We've traveled around the world and we're still roaming.

僕らは世界中を旅してきたし 今でも世界を放浪している
Soon we'll be 30 years old.

僕らもやがて30歳になるだろう

 

[Verse 4]
I'm still learning about life

僕はまだ人生について学びつつけている
My woman brought children for me

妻は僕に子供達を授けてくれた
So I can sing them all my songs

おかげで僕は子供らに僕が書いた全ての歌を歌って聴かせることができる
And I can tell them stories

そして僕は子供らに僕の物語を語って聞かせることもできる
most of my boys are with me

僕のバンド仲間はほとんどいつも僕と一緒さ
Some are still out seeking glory

今でももっと夢を追いかけているやつもいる
And some I had to leave behind

だけど置き去りにしなければならなかった仲間もいた
My brother I'm still sorry
ああ、兄弟よ 僕を許してくれ

 

[Bridge]
Soon I'll be 60 years old, my daddy got 61

やがて僕は60歳になるだろう 大好きな父さんは61で死んだ
Remember life and then your life becomes a better one

人生を振り返れば、僕らの人生はもっとましなものになる
I made the man so happy when I wrote a letter once

むかし僕が父さんに手紙を書いた時、父さんはすごく喜んでくれた
I hope my children come and visit, once or twice a month

僕の子供たちも時々訪ねてきてくれるといいな 月に1度か2度でもいいからね

[Chorus 5]

Soon I'll be 60 years old, will I think the world is cold

じきに僕は60歳になるだろう 僕はその時、この世は冷酷だと思っているのだろうか
Or will I have a lot of children who can bore me

それとも、僕をうんざりさせるほどのたくさんの子供に囲まれているのだろうか
Soon I'll be 60 years old

いつか僕は60歳になるだろう
Soon I'll be 60 years old, will I think the world is cold

すぐに僕は60歳になるだろう 僕はその時、この世は冷酷だと思っているのだろうか
Or will I have a lot of children who can bore me

それとも、僕をうんざりさせるほどのたくさんの子供に囲まれているのだろうか
Soon I'll be 60 years old

やがて僕も60歳になるだろう

 

[Outro]
Once I was seven years old, my mama told me

むかし僕が7つだった頃 母さんは僕のよく言ったものさ
Go make yourself some friends or you'll be lonely

外の世界に出て自分で友達を作りなさい さもないとずっと一人ぼっちだよ
Once I was seven years old

それは僕が7つの頃の話
Once I was seven years old

それは僕がまだ7つの頃の話

 

ラヴィス版の"7 years"  男性ボーカルもいいですね。


7 Years - Lukas Graham (Cover by Travis Atreo)

 

では、最後にご本人ルーカスに登場してもらいましょう。

2017年のノーベル平和賞授賞式でのコンサートです。

さすが、世界的な曲ですから、ノーベル賞授賞式にふさわしいです。


Lukas Graham - 7 Years | The 2017 Nobel Peace Prize Concert

 

おまけ

配給元のワーナーブラザーズが作った公式動画

字幕翻訳も載っていますし、画像が歌詞を忠実に表現していて内容をつかみやすいですね。


ルーカス・グラハム 『セブン・イヤーズ -僕はまだ7歳だった-』 / Lukas Graham - 7 Years

以上です。