中二英語 サンシャイン2 プログラム5 パート2の号外 時制の特別ルール

中二英語 サンシャイン2 プログラム5 パート2

号外 :時制の特別ルール

「時や条件の接続詞の中では、たとえ未来のことでも、動詞は現在形を使う」

 

2021年2月12日 安倍

 

■ここで学ぶこと

接続詞when(~する時)やif(もし~ならば)の中では、未来のことでも現在形で表す、という例外を学ぶ。

 

■従属接続詞の種類(復習)

 接続詞は、独立しているか、従属しているかで2つにわけるんでしたよね。

接続詞 --> ①等位接続詞   

        二つ並んでいるものandやbutなど。

     --> ②従属接続詞

 

さらに、②の従属接続詞は、文の主要素になるか、ただの飾りかで2つにわけるんでしたよね。

 

②従属接続詞       

②の1 主語や目的語を作る = (名詞節といいます)

    前のレッスンで学んだ that節(~ということ)

       

②の2 修飾する節を作る (=副詞節といいます) 

    <数が多いので意味で分類する>  

  ア 時に分類 when節(~する時に)

  イ 条件に分類 if節(もし~するならば)

        ウ 理由に分類 because節(~なので)

           (以下、省略)

 

■上の「②の2 修飾する節(副詞節と呼びます)」にも、実は2つのグループがある。

 

1つ目は、上のアとイ。

つまり、時や条件の接続詞の中では、「たとえ未来のことでも、現在形で表す」という特別ルールがあります。(あとで説明します)

 

2つ目は、上のウ。

つまり理由の接続詞です。この中の文に例外ルールは適用されません。だから、すなおに、現在のことは現在形で、未来のことは未来形で、過去のことは過去形で、述べてよいのです。

今、理由の接続詞だけをあげましたが、他にも接続詞があるので、特別ルールに従う接続詞の方が少数派です。

 

■実例で確認します。

 

現在の事実は、あたりまえですが現在形で表します。

It rains every day.

 (毎日、雨が降ります)

 

未来の語句があれば、あたりまえですが、未来のことなので、動詞を未来形にします。

It will rain tomorrow.

 (明日は雨が降るでしょう)

 

では、この文を接続詞の中に入れてみましょう。

(ある場合に、化学変化が起きますよ。煙が出るかも。笑)

 

1つ目は、名詞節の接続詞、that節です。

 

that節には、特別ルールは無関係ですから、未来のことは動詞を未来形にします。   

I think that it will rain tomorrow.

明日は雨だと思うよ。

 

2つ目は、理由の接続詞です。

 

やはり、特別ルールとは関係がないので、素直に時間通りに書きます。

Let’s go shopping because it will rain tomorrow.

明日は雨なので、買い物に行こう。

 

では、特別ルールの出番です。

If節で起きます。

 

次のIf節は未来の語句(tomorrow)がありますが、「あえて」現在形で書きます。

 

ですが、その特別ルールはIf節の中だけにあてはまるので、主節ではちゃんと未来のことは未来形で書きます。

 

 If it rains tomorrow, we will go shopping at the Ion Super Center.

もし明日、雨が降れば、イオンスーパーセンターに買い物に行こう。

 

※ifの中はtomorrowがあってもwill rainと未来形にしません。

 

どうですか?

この異常さに、驚いて欲しいと思います。

 

では、次にWhen節(~するときに)も、特別ルールが当てはまるのでみてみましょう。

 

When he is back in the afternoon, I will call you.

彼が午後に戻ってきたとき、あなたに電話をします。

 

※when節の中は、未来の午後のことでも、未来形にせず現在形isを使っています。

 

一方、残りの文(主節と言います)では、未来のことなので、ちゃんと未来形で書いています。

 

【まとめ】時や条件の接続詞の特別ルール

時や条件の節の中では、たとえ未来のことでも現在形を使う。

 

時の節とは。

when(~するとき)

as soon as(~するとすぐに)

after(~したあとに)

before(~する前に)

until(~するまでに)

 

条件の節とは。

if(もし~ならば)

 

■どうしてこんなことがwhenとifだけで起きるのか?

 ただむやみに暗記するよりも、どうして「理由」などの他の接続詞には起きないのに、時や条件の接続詞の中だけでそうした特別現象が起きるのか不思議に思いませんか?

 

それはこういう理由があるからです。

 

時(~する時)や条件(もし~すれば)という概念は、話し手の頭の中で「起きるかどうかはっきりしない未来形」ではなく、「ある程度、実際に起きると仮定して話しているため」です。

 

「もし明日雨が降れば」は、話し手の頭の中では実際にそれが起きると仮定して話す必要があるから、不確かな未来形よりも現在形が似合いします。

 

それを無理やり未来形にすると「もし明日雨が降るでしょう(でも降らないかも知れないけれど)そんな場合には、~です。」と言えば、ちょっと無責任というか、優柔不断と言うか、何なんでしょうと思いませんか。「はっきりしろ!こらー!」と言いたくなりますよね。(笑)

 

■本当にそうかどうか、言語の発展を調べてみると。

 

実際に調べてみると、when節やif節の中は、大昔の人はちゃんと未来形shallを使って言っていたそうです。

 

大昔: 

未来のことはちゃんと動詞は未来の助動詞shallを使っていた。

 

しかし、使っているうちに「時」と「条件」は不確かな未来を使わないほうがいいとみんなが思うようになって徐々に「省略」されるようになりました。

 つまり、動詞の原形を使うような中間形が存在していました。

 

中間形: 

みんなの口癖で未来形shallは大げさなので省略することにした。

その結果、「(shall)+動詞の原形」に移行した。

 

だんだん使っているうちに、みんなが「原形」という意識を忘れて、主語がHeやSheの時は「三単現のSをつけないとおかしんじゃね。」ということになりました。でもこれって、やりすぎです。(笑)

 

現在の姿: 

If 主語 + 現在形の動詞 , ~.

 

動詞の原形だったという意識は薄れて、三単現Sがつく「普通の動詞」の動詞と認識されるようになりました。

もう、こうなると、原形ではなく、ただの現在形ですね。

 

こうした人々の意識が、言葉を作り上げていきました。

理由なく、この特別ルールがあるのではなく、みんなが

言葉は、長い年月をかけて変化していくんですね。

 

終わり。

 

――――――――――

これちゃんと教科書で扱っていますよ。

「なぜ」の部分は書いていないですけど。

教科書60ページ。

「英語のしくみ 3」で小さく扱っています。

 

でも、これって、高校になると厳しくトレーニング積むし、知ってて当然のこととされるのです。

高校入試にも出ますしね。

 

 だから、異文化理解はやっていいと思うんですけど、その時間があったら英語の時間は徹底して言語学習に焦点をあてて欲しいといのが私の意見です。

 理解できないまま、授業が進行して「出来の悪い生徒」が多数発生するんじゃないかと危惧しています。特に部活が忙しくて塾に行けない生徒。または、経済的な理由で塾に行かせられないご家庭を心配しています。

 本当は、最初から出来の悪い生徒なんていなんです。教え方が悪いんですよ。また、現場の先生方のせいでもないんです。先生方も時間があって、部活指導がなければ、必死にプリント作って補修してくれると思うんですけどね。何かを変えないと、いけない日本の教育事情。

 中学って45分の授業が週に3回しかないんですよ。これで会話中心の授業にしたら、どうしても間に合いません。

 では。