"Blackbird" the Beatles 歌詞を翻訳してみました

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 Boyce Avenueのカバーを貼っておきます。

 

今月の歌 Blackbird The Beatles 

1968年11月 レノン・マッカートニー

 

 さて、今回はしっとしたビートルズの「ブラックバードBlackbird」を取り上げます。

 1968年11月の作品です。レノン・マッカートニーとなっていますが、この曲はポール・マッカートニーがひとりで作った歌のようです。スタジオに入って何回も録音し、37回目の録音を採用したと言われています。

 ブラッククバードは、カラスではなく、イギリスではクロウタドリのことです。日本には旅鳥として稀に見かけることがあるようです。鳴き声が美声でイギリスでは人気がありスウェーデンでは国鳥とのこと。

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  歌詞の内容は、黒人の公民権運動の際に、闘った一人の女性のことを念頭において作ったと言われています。女性をかわいいクロウタドリという鳥になぞらえて、傷つき倒れそうになっても希望というかすかな光を求めて飛んでいく鳥(しかも生まれて初めて飛ぶ!勇気がいりますね)に、女性の姿を重ねたのでしょう。

 おそらく公民権運動の母と言われるローザ・パークスさんのことでしょう。黒人専用座席が満杯だったので、仕事で疲れていたローザは白人専用席が空いていたので、腰かけました。するとローザに降りるように指示したバス運転手ともめることになります。このローザパークス事件は1955年のことです。

 それから70年経って、Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)運動が起きている2021年の今です。なんか悲しいですね。あと100年経っても同じかもね。

ja.wikipedia.org

 

 ただこの歌詞の中の「黒い鳥」は、ローザ以外の誰にも当てはまる訳で。

まあ自分に置き換えてもいい訳です。誰かに傷つけられた時、落ち込んだ時の自分でもいいわけです。そこに歌詞の普遍性(誰にも当てはまるという価値)があるのだと思います。

 ギター1本で流れるような旋律で、50年経た今でも聞く人の心に沁みます。悲しい時、疲れたときに聴いてみてください。きっと、心が癒されますよ。私は中学時代にビートルズに出合ってだいぶ経ちますが、今でも時々聞きますね。この曲は。

 ポールのいい感じの映像が見つからなかったので、代わりにBoyce Avenue(ボイスアベニュー)のカバーでどうぞ。

 

 

   Blackbird  The Beatles 

            1968年11月 レノン・マッカートニー

 

【1st Verse】

Blackbird singing in the dead of night       行末音 アイ (ツは消失)

ブラックバードが真夜中に鳴いている
Take these broken wings and learn to fly      行末音 アイ

折れた羽根をバタつかせながら、飛ぼうとしている
All your life                   行末音 アイ(フは消失)

生まれて初めてのことだね
You were only waiting for this moment to arise   行末音 アイ(ズは消失)

君はこの時が来ることをずっと待っていたんだね

 

【2nd Verse】
Blackbird singing in the dead of night        行末音 アイ(ツは消失)

ブラックバードが真夜中に鳴いている
Take these sunken eyes and learn to see       行末音 イー

つぶれてしまった目で、真実を見ようとしている
All your life                    行末音 アイ(ズは消失)

命をかけて
You were only waiting for this moment to be free   行末音 イー

自由になるこの時をずっと待っていたんだね

【Hook】
Blackbird fly, blackbird fly

ブラックバードが飛び立とうとしている
Into the light of the dark black night
漆黒の闇の中に一条の光を求めて

Blackbird fly, blackbird fly

ブラックバードが飛び立とうとしている
Into the light of the dark black night
漆黒の闇の中に一条の光を求めて


【Refrain】
Blackbird singing in the dead of night

ブラックバードが真夜中に鳴いている
Take these broken wings and learn to fly

折れた羽根をバタつかせながら、飛び立とうとしている
All your life

生まれて初めてだよね
You were only waiting for this moment to arise

君はずっとこの時が来るのを待っていたんだね
You were only waiting for this moment to arise
You were only waiting for this moment to arise

 

行末音を書きだしましたが、脚韻を踏んでいますね。

1番は、aaaaという同音。2番はababという交互韻。

ちなみにですが、語末の閉鎖音や破裂音(/t/, /f/など)は実際の発話では発音されないことが多いんですよ。これを言語学で「消失」と言います。

 

リズム、韻、内容どれをとってもすばらしいですね!

 

いつも思うんだけど英語の歌詞はたて糸とよこ糸がしっかりと編み込まれている高級ペルシャじゅうたんみたいです。

以上です。