中二英語 サンシャイン2 プログラム5 パート2
従属接続詞whenの導入
2021年2月10日 安倍
■ここで学ぶこと
従属接続詞の種類
従属接続詞の働き
代表的な従属接続詞whenの使い方
■従属接続詞の種類
文を文をつなぐ働きをするものを接続詞と言います。
接続詞には等位と従属の2つがあります。
■等位接続詞
等位接続詞とは、お互いが独立したまま並列で並んでいます。
英語では、and, but, or, soの4つだけです。
1 You and me
2 It’s sunny today, so we go to the beach.
1は名詞と名詞を接続しています。
2は文と文を接続しています。
どちらも、互いに独立しています。
従属接続詞とは、主節の中に従属節が入っているものです。
ちょうど、お母さんのおなかの中に、赤ちゃんが入っているような状態です。
この場合、お母さんが主節、赤ちゃんが従属節です。
赤ちゃんは、お母さんの栄養に頼って(=従属)しています。
お母さんは、赤ちゃんの栄養に頼ってはいません。
■接続するものは大きさで3つに分ける
さきほども例で示しましたが、つなぎ合わせるものは、お互いに同じサイズのものでなければなりません。
サイズは小さい順に
名詞 book, desk, penなど
句 in the park, at the station, at six o’clock, with youなど
節(文のこと) I am a student. You are a teacher.
となります。
主語と動詞を含まないものを句といい、
主語と動詞を含むものを節といいます。
英文法では、文のことを節(せつ)と呼びます。
さて、andをつかって名詞と文をつないではいけません。
andを使うなら、名詞と名詞、句と句、文と文をつながなければなりません。
■従属接続詞の働き
接続詞は、等位接続詞と従属接続詞に分かれることはお話しました。
次に、従属接続詞にも2つの種類があることを話します。
従属接続詞で始まる文のことを従属節と言います。
例) He think that she is a student.
彼女は学生だと、彼は考えている。
上の例だと、
下線部が引かれた部分=従属節
接続詞that=従属接続詞
下線部がない部分=主節
と呼びます。
例) When she was a student, she was on the tennis team.
彼女が学生の時、彼女はテニス部に所属していた。
この例でも同じです。
下線部=従属節
when=接続詞
下線部のないところ=主節
このように、文法用語を使うと、指し示す部分とはっきりと間違いなく指すことができるので便利です。
一方、学習者にとっては、はじめは戸惑うことがあるでしょう。
でも、慣れてくれば「そうとして呼べない」「その用語がなかったら、その部分を誰かに示すことはできない」と気づくでしょう。
このように名前や用語は、抽象的な概念を指すのにとても便利です。名前がなかったら、呼びようがないですから。
話を戻します。
従属節には2種類あるということを話します。
1つは、絶対になくてはならない、文の主要部になっている場合です。
もう1つは、その従属節がなくてもよい、つまり、修飾の働きをしている場合です。
例1) He think that she is a student.
彼女は学生だと、彼は考えている。
例2) When she was a student, she was on the tennis team.
彼女が学生の時、彼女はテニス部に所属していた。
例1を見て下さい。下線部をカットしたら、残りの文はダメになってしまいます。意味をなさなくなります。
例2を見て下さい。下線部をカットしても、残りの文はダメになりません。下線部は修飾する働きをしているからです。
それでこの2つに短い呼び名が必要です。
いちいち「下線部をカットしたら・・・」なんて言っていられませんから。
例1のように従属節が文の主要素になっている場合を「名詞節」と呼びます。
例2のように従属節が、なくなってもいいようなケースは、修飾している場合です。しかも、何を修飾するかと言えば、「彼女が学生の時に」→「所属していた」と、動詞を修飾しています。
動詞を修飾するものは何であれ、副詞と呼びますから、単なる副詞と区別して、(中に主語と動詞を含む節という意味で)、副詞節と呼びます。
例)下線部はどれも動詞を修飾する副詞です。ただサイズが違うだけです。
She sang a song happily.
副詞「楽しそうに」→「歌った」
She sang a song happily on the stage.
副詞句「舞台の上で」→「歌った」
She sang a song happily on the stage when she was a student.
副詞節「彼女が学生の時に」→「歌った」
■まとめ
従属節を作るのは、従属接続詞。
従属接続詞には、主要素か修飾かで2つに分かれる。
1 主要素(文の主語や目的語になる)になる場合 → 名詞節を作る接続詞
2 修飾節を作る場合 → 副詞節を作る接続詞、または、従属接続詞と呼びます。
■代表的な従属接続詞whenの使い方
whenを「いつ?」の意味で使うと接続詞とは呼びません。疑問詞と言います。
whenが後ろに主語と動詞を取ると、「~する時」という意味で、接続詞と言います。
もっと細かく種類を足して言えば、「従属節を作る接続詞」とか「副詞節を作る接続詞」と言います。
例) When she was a student, she was on the tennis team.
■置く場所はどちらでもOK
従属節を前に置いても後ろに置いても意味は変わりません。
①When she was a student, she was on the tennis team.
②She was on the tennis team when she was a student.
ただし、①のように前に置くと、文の切れ目が見えなくなるおそれがあるので、カンマを置きます。
②のように後ろに置いた場合は、whenが目印になるので、カンマを置く必要はありません。
■従属接続詞の種類
名詞節を導く接続詞 that(~ということ) 1個だけ
副詞節を導く接続詞 when(~する時)など多数
副詞節を導く接続詞は、数が多いので、「意味」で分類することが多いのです。
今、暗記する必要はありませんが、接続詞というものが全体でどうなっているのかを押さえておくと知識に整理がついて便利だと思います。
複雑なものは、部分から理解すると同時に、「全体の中で、ここがどうなっているのか」を理解すると便利です。
副詞節を接続詞の意味で分類した場合
時の接続詞 when(~する時)など6個位
条件の接続詞 if(もし~すれば)など3個位
理由の接続詞 because(~なので)など3個位
譲歩の接続詞 though(~だけれども)など2個位
目的の接続詞 so that (~するために)など2個位
程度の接続詞 so~that (大変~なので)など3個位
結果の接続詞 , so that (~、その結果~)など2個位
このように、副詞節を導く接続詞は数が非常に多いのでやっかいです。
次のパート3では、すぐに「条件の接続詞」が出てきます。
理由の接続詞は、前のプログラムですでにこっそりと出ています。
中学生は、3年までにすべての種類の接続詞を1つまたはあ3つ程度、学ぶことになります。
高校にいくと、全部、もれなく勉強します。
だから、しつこいくらいに、言葉や用語にこだわって説明してきました。
いま、理解しきれなくても、「なんだか接続詞は用法や意味で細かく分類されているようだ」ぐらい知ってもらえれば、私としてはしあわせでありますよ。さらに「意味用法ごとにまとめて覚えると楽だ、と安倍という人が言っていると知っていただければなと思います。
では、教科書で出てくるwhenで始まる節(when節とも呼ぶ)をすべて書き出してみます。
すべて訳せればOKとしましょう。
本文例
When you called me, I was sleeping in bed.
訳せない人もいるので、方法を教えます。
まず、接続詞の中の文を丁寧に訳します。
「あなたが私に電話した」
次に接続詞を後ろに足します。
「あなたが私に電話した」+「とき」
次に主節を訳します。
「あなたが私に電話した」+「とき」+「私はベッドで寝ていた」
日本語でも、文と文の間に接続詞が入るのが見えますか。
英語では文の初めの方にありますが、最初に接続詞を訳してはダメですよ。
×「とき」+「あなたが私に電話した」+「私はベッドで寝ていた」
では、残りの文をどうぞ。
What are you doing when your father came home?
When he came home, I was doing my homework.
What do you usually do when you’re free.
free「ひまな」
When I’m free, I usually read books.
When he stayed in Japan, he visited “Nagasac.”
Nagasac長崎と思われる地名
■パート2の重要語
I called you callはSVOでは「電話する」
SVOOと目的語が2個ならんだら、「~を・・・と呼ぶ」です。
around six aroundは、場所だと「~の周りに」時間だと「~頃」
Sorry. I’m sorry.の略。ごめんなさい。
Oh, were you? youの後ろを丸ごと省略した形。
sleep 「眠る」
sick 「病気の」
I was just tired. justはこの場合「ただ~だけ」。
on his way back to~ 「~へ戻る途中で」
このon his way back to~は、副詞句と言います。
主節の動詞を修飾していますよ。
Nangasacナンガサック 長崎らしい地名
Xamoschiザモウスキ 観音崎らしい地名
Where are they? このareは存在の意味「~ある」
「それらはどこにあるの?」
Some people think (that) they’re ~.
「それらは~だと考えている人もいる」
以上です。
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何にも背景知識なくて、この「ナンガサック」だの「ザモウスキ」がなんで「長崎」や「観音崎」と言えるのかね?教科書には何も解説ないから、私が解説します。
有名なマルコ・ポーロをご存じですか?
イタリア人のマルコの父や伯父さんは、ヨーロッパと中国を往復して貿易をしていました。
それでマルコも父や伯父さんたちと当時の中国皇帝に仕えていました。
そこで「だれも見たことのない黄金の国ジパング」のうわさを聞きつけます。
なんでも、zipang(ジパング)という国は、屋根も柱もすべて黄金で出来ているという話です。
おそらく、岩手県平泉町にある「中尊寺金色堂」ではないかと推測されています。
金色堂は、1124年建立。
ジパングは、「日本国」の中国語読み、「日=ジツ」、「本=ホン」、「国=コク」のなまったもの。
ジッポンコク = ジパング
事情があって、マルコはイタリア(ベネチア)に戻ります。
当時、ベネチアは戦争状態で、マルコは志願兵になり戦いに参戦しますが、捕虜になり牢屋に入れられます。
その牢屋で、毎晩自分が体験した24年間のシルクロードや東アジアの話をしたら大うけで、牢屋にいた別の人が出版し本にしました。
その本こそ、名著「東方見聞録」(イル・ミリオーネ)です。
東方見聞録は、ヨーロッパ(中心は教皇のいるイタリアあたり)で多いに流行し、ベストセラーになりました。
これが1298年頃のこと。
東方見聞録ははじめてヨーロッパ世界に、中国や極東アジアの情報をもたらしました。
ヨーロッパじゅうの人は大興奮しました。
誰も知らないシルクロードの果てに、さらに海を渡ると文明国があり、そこは金がワンサカ採れる。
しかも、紅いサンゴなど、大変貴重なものをたくさんとれるらしいと。
このころは、まだ「地球は丸い」とは信じられておりません。
また、南北アメリカ大陸がこの世に存在するとも、誰も思っておりません。
世界地図と言えば、エルサレムやローマを中心とした世界だけが「この世のすべて」と思われていたので、東方見聞録の情報は、ヨーロッパ人を刺激しました。
また、マルコ・ポーロは中国から、羅針盤の原形となる「方位磁石」を持って帰ります。
その後、羅針盤も発明され、船はいよいよ大航海時代に入ることに。
みなさん、クリストファー・コロンブスを知っていますか?
そう、大航海時代の主人公の一人です。
彼はアメリカ大陸を発見しました。
実は、大西洋を出て、南北アメリカ大陸なんてあるとおもっていないので、そのまま左に進み、運がよければ直接ジパングに到達すると思っていたのです。
コロンブスのあたまの中
これが1492年の話です。
アメリカ大陸発見とはしかし、失礼な話です。
すでに原住民が住んでいたので、「発見」とは西洋人だけの見方です。
原住民(インディアン)にとってみれば、迷惑千万な話です。
だって、自分ら住んでいるのに、勝手に「発見」なんて。
自分たちが人間と思われていないことを後から知るのです。
(実際、インディアンは、その後、大虐殺にあったり、奴隷としてスペインに連れて行かれました)
けど、彼はアメリカ大陸を捜しに行ったわけじゃ無くて、インドに行きたかったのです。
インドには当時、貴重だった香辛料があると思われていたのでした。
また、インドから中国へ行き、最終的にはジパングで黄金を捜そうを思って旅に出たのでした。
実は、コロンブスの愛読書は、マルコ・ポーロの「東方見聞録」で繰り返し繰り返し読み、本はボロボロになるほどでした。また、黄金の国にはとりわけ興味を惹かれており、その部分には印がつけられていました。
だいぶ、東洋の島国ジパングもヨーロッパに知られるようになりました。
当然、イギリス人やアイルランド人の間でも、日本のことが話題になっています。
ガリバー旅行記を書いたのは、アイルランドのジョナサン・スウィフトという作家。1726年に初版発行。
ガリバーが小人国(身長が普通の人の1/12しかない)「第一篇 リリパット国渡航記」の話。
ガリバーが大きい訳じゃなくて、そこの国の人がこびと国。
日本が出てくるのは、「第三篇 ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記」の部分。ガリバーがラグナグ国から日本へ行こうするが、途中で島国グラブダブドリッブに寄る。いずれにしても1709年に日本のザモウスキに着き、皇帝(徳川将軍)に会う。そして「踏み絵だけは許して下さい。」とお願いし、ナンガサック(長崎)まで護送され、そこでオランダ船に乗ってイギリスに帰る、という話。
神奈川県では、このガリバー旅行記に出てくるザモウスキが「観音崎」であるという町おこしが行われているという。発音ではなくスペリングが似ているからというのが理由。
Kannonsaki
KをXに書き間違う。
nnを続けて書くと、mになる。
Xamoschi
ちなみに、観音崎という地名は、741年に行基がこの地に観音堂を建立したことによる。
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これだけの話を、英語の授業時間(およそ40分間)にスライドを見せながら、やれたら素晴らしいね。
でも、時間がないからすっ飛ばしてしまうか、調子に乗ってガリバーや天空の島ラピュタの話に凝ってしまうと肝心の英語がおろそかになりそう。
次のパート3では、現在の横須賀市観音崎でのガリバーのお祭りが出てくる。
背景知識の盛りすぎではないでしょうか?
さらにパート3では、他に札幌の雪まつり、佐賀県の吉野ケ里遺跡なども出てきて、言語としての英語よりも、異文化理解に時間を取ってしまうのでは?と思いました。
私が大学院時代に、英語で書かれたラテン語教本を使って、ラテン語学習した時は、教本に「バルバスのあたまは大きい」とか、それこそラテン語文法だけに集中できるように、簡単な英作文しかありませんでしたよ。当時、日本語で書かれたラテン語教本は極めて少数しかありませんでした。しかも高価。
脱線しましたが、今回は従属接続詞の話でした。
終わり。